主人公の僕がかつて住んでいたアパートには、ホリーという名の不思議な女性が住んでいた。彼女の部屋は殺風景で、まるでいつでも立ち退けるように準備しているかのようだった。彼女は名無しのネコを飼っていて、ベランダでギターを弾きながら歌を歌っていた。そんな彼女に僕は惹かれていた。
物語の進行が軽快なので、読み心地のよい作品です。特別なメッセージなど押しつけてこないので楽に読めます。個人的には、もう少し作者が現れていた方が好みですが。オードリー・ヘップバーンの同名映画の原作です。表題作の他、三つの短編が収められています。